よい政治とは何か

 【良い政治とはなにか】

 良い政治とは、住みやすい世の中を作ることである。

 単に経済的に楽だとか、娯楽にあふれているだとかだけではなくて、
 人として生きがいのある社会、誇りを持って生きられる社会を作る。
 同時に、余暇や安らぎも保たれねばならない。

 それらがバランスを保って、よりよき世界を目指す行為。それが政治
 というものである。

 「住み良い社会を作る」これ政治の第一義である。

 政治問題において迷った時には、ここに帰って判断すべし。いかなる
 良案も、正義もイデオロギーも、その結果が住み良い世界を意味しな
 いならば、それは政治的に間違っていることになる。

 「鮑叔は傲岸不遜にして宰相に任にあらず」と管仲は死の床で桓公に
 言った。中華第一の紳士である鮑叔が傲慢な人物である訳も無い。

 正論を通す為に主君である桓公と衝突し、ついにはそれを討つか、逆
 に鮑叔が引退するかするようになる、という意味である。

 それでは住み良い社会にはならない。正論を掲げつつも現実と妥協し、
 段階的に良くしていく忍耐(というかいい加減さ)が必要だと言って
 いるのである。

 後年の、孔子が魯公に仕えた態度は、まさにそのようなものであり、
 ゆえに孔子は官界を去らざるをえなくなった。